夫婦大國社というのは、春日大社の境内の一角にある、まあ、春日大社の摂社みたいなものだ。断言はしないが。
で、この夫婦大國社は名前からして判る通り、男女関係に強いというのがウリの神様である。
願掛け絵馬も、ハート型の、しかもピンク色を基調としたデザインの、いかにもそれらしいものを用意している。
「えんむすび」「おねがいごと」というのは、その絵馬に最初から印刷してあるのだ。
まったく商魂たくましい、もとい、願かけ希望者にやさしい神様である。

で、この願主の願いだ。
毎度、申し上げている通り、人名などは筆者が変えている。
ジャロさんも、実際の記載とは違うが、注釈として、その名前だけでは男なのか女なのか、またそれが姓なのか名なのかも不明な、カタカナ名前だったということを明記しておかないといけない。
ジャロさんでは、何となく男みたいであるが、筆者の知識では他に、前記条件に該当するような、適当な仮名を思いつかなかったので、その点、ご留意願いたい。

さて。
かおりクンは、彼氏を欲しがっている。それは良い。
しかし、「ストレートの」というのは何であろう？
近年、同性愛というものが、それほどタブーではなくなっている。
で、その方面の話を考え合わせてみると、ストレートというのは、同性愛者たちが、異性愛者、つまり伝統的な（？　決して断言はしない）普通の（これも断言はしない）性愛を好む人を指していう言葉らしい。
ノンケ、などともいう、らしい。

もし、かおりクンのいう「ストレートの」がそういう意味なら、彼女は今、ストレートではない彼氏、つまり、あ～、その、言うところの「両刀使い」の彼氏とでも付き合っているのであろうか。
同性愛のホモ・セクシャル、異性愛のヘテロ・セクシャルに対して、両性愛、バイ・セクシャルというらしいが。
それとも、過去に付き合った彼氏が、バイ・セクシャルだったのか。

もし、そうだとすると、かおりクンの性愛志向というものは、どういうものなのか。
もちろん、今後については「ストレート」を欲しているのは判るが、今、あるいは過去において、そういう状況にあったとしたら、彼女もまったくのストレートでもないという理屈になるのか。
それとも、バイ・セクシャルの男（？）と交際を結ぶ女は、あくまでそのバイ・セクシャル男のヘテロのほうとの交際だから、女のほうも問題なくヘテロなのであろうか？
ああ、ややこしい。

奈良時代以来の長い歴史を持つ、春日大社の摂社（知らないが）である夫婦大國社の神様も、こういうややこしい関係の願いを守備範囲としているのであろうか。
気になるところである。