[おねがいごと]
是非トモニ、
私ヲ天下第一
ノ目明(御用聞キ)
ニシテ下サイマス様
謹ミテ御願イ申シ
上ゲマス。
谷本光義
[熊本市 加藤神社]
加藤神社というのは、熊本城跡にある加藤清正を祭る神社である。
正式には、錦山神社というらしいが、ご祭神が豊臣秀吉の家臣で、虎退治で有名な加藤清正公であることから、加藤神社として親しまれている、…そうである。
勝負に「勝とう」というしゃれで、最近は受験生やスポーツ選手のお参りも多い、…そうである。
と、本論に入るのを嫌がっているのは、何とも言えない情けなさを感じるからなのである。
絵馬の素材が木材ではなく、厚紙というのが、余計にそのショボクレ感を増幅しているような気もするが、それはまあ偶然であろう。
「目明」には、「メアカシ」とルビがふってある。
この願主、願文をそのまま真面目に読めば、どうも現役の警察官、捜査関係者のように読める。
捜査一係だか、ニ係だか知らないが、いわゆる刑事さんなのだろう。
また、絵馬には神社側の方針として、「この絵馬は、正月初詣の際に、絵馬かけにおかけ下さい」と、注意書きが印刷してあるから、おそらくほんとうに正月の初詣、ほろ酔い気分で奉納したものかも知れない。
しかし、いくら何でも、こういう表現で、こういうことをお願いする精神というのは、どうであろうか。
こういう人物に、捜査権力を行使されたくはないと思うのは筆者だけだろうか。
単なる、警察マニア、捜査ごっこマニアであってほしいと祈るばかりである。