今年の目標は、仏壇の仕事が不景気にならないように努力したいと思います。仏壇の仕事は、中国に負けたくないです。今年こそ景気が回復したいと思います。仕事がたくさんあってほしいです。残業もしたいです。
自動車を運転する時は、事故やケガをしないように、無事故無違反でいてほしいです。
栗本雅信
[長崎市 諏訪神社]
かなり、たどたどしい文字で、絵馬の板面いっぱいに一生懸命に書いてあるのだ。
上の願文では訂正しておいたが、文字もところどころ間違っているし、言葉使いも少々変である。しかし、そんなことはどうでもよろしい。
自動車云々の後半は、まあ付け足しと言ってよいだろう。
本論は、仏壇の仕事である。
思うに、この願主は、福祉作業所のようなところで頑張っている人ではないだろうか。
ああいうところでも、それぞれ得意な仕事というのがあって、この願主の作業所では仏壇製造の一部の工程を請け負っているのであろう。
仏壇製造は、漆塗りやら金箔貼りなどがあるから、全工程をそういうところで請け負うのは無理だ。材料である木材加工の一部を請け負っているのだろう。
だから、この人は木工所の従業員ということかも知れない。
で、そういう仕事でこれまで頑張ってきて、時には残業もしてそこそこの給料も貰っていたのに、ここに来てのこの不景気で、とくに人件費の安い中国に仕事を持って行かれがちだというのであろう。
国際化だの自由化だの、一時は、猫も杓子も金科玉条のようにありがたがったものであるが、その実態や現実はこういうことなのである。
困ったことだ。
何とか、景気が回復してほしい、中国に負けずに頑張ると、この人は言っている。
諏訪神社の神様は何とかしてあげてほしいと筆者も思うが、ここはやはり政治をする人たちにしっかりしてくれと、声を大にして言うほうが良いかもしれない。