島本辰夫
由美子
悪縁であれば切ってください。
※孫 喬太郎もいます。
毎日が心苦しい。
島本頼子
[大阪市 生玉神社摂社 鴫野神社]
WEBではうまく表現できないので省略したが、辰夫と由美子の後ろは大きな )でくくってあるから、ご両人は夫婦ということだろう。
孫もいる、というのだから頼子さんは、辰夫氏の母親なのだろう。
つまり、女親が息子夫婦の縁切りを願っている。
判らないのは、「悪縁であれば」という条件つきになっているところだ。
頼子さん自身、何の判断も考えもないのなら、こんな願掛けなどしないだろうから、切って捨てるべき悪縁だと思っているのだ。
もちろん、いけないのは嫁の由美子だということだろう。
それなのに、「悪縁であれば」と、煮え切らないことを言う。
可愛い孫の喬太郎もいるというのは、孫つまり息子夫婦にとっての子であるが、子もいるのだから、できれば穏便に、円満に収まるものならそうしたい、という気持ちもあるのか。
おそらくそうではないだろう。
頼子さんにとって、孫が由美子さんの子であるということなど、関係ないのだ。
可愛い孫にも嫌な思いをさせるから、この夫婦の仲を切ってほしい、というのに違いない、…と思う。
「悪縁であれば」というのは、息子夫婦の縁は悪縁であれかしという願いなのだ。
悪縁だという結論があれば、堂々とその縁切りを願えるから。
それにしても、辰夫氏と由美子さんの夫婦仲、日常というのはどんなものなのか、知ってみたい気もするのは、筆者のさもしい野次馬根性、いや旺盛な考察意欲のせいか。
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