[願い事]
ステキな
刺激が
できます
ように!!
(無署名)
[大阪市 生玉神社]
記念すべき第百回だというのに、妙な試料を選んでしまった。
いや、当考現学講座にはかえってふさわしいと言う声もあるかも知れないが。
さて。
これは、退屈な日常生活に疲れたから、何か刺激的な出来事が起きて欲しいという願いでは、おそらく、ない。
つまり、「できますように」というのは、発生しますようにとか、自分の身に起きますようにとかいう意味ではないのだ。
英語で言うところのポッシブルの意味である、多分。
なぜ、そう言えるのか。
第一に、そういう願いなら素直に「刺激がほしい」と書くだろう。
第二に、無署名であることと、この生玉神社の立地である。
大阪以外の人はご存知ないだろうが、生玉神社というのは大阪市天王寺区の繁華街と言える地域にあり、正式には生國魂神社(いくくにたまじんじゃ)と言う。
延喜式にも記載された旧官幣大社である。
最近では、「大阪薪能」が開催されたり、上方落語の祖である米澤彦八に因んだ「彦八祭」が開催されたりしているが、まあ、それはこの際、関係ない訳である。
この由緒ある神社の周辺は、いわゆるラブホテル街なのだ。
ソープランドこそないが、大小のラブホテルが林立状態なのである。
そして、最近のラブホテルというのは、何も男女がカップルで来所して利用するとばかりは言えない、らしい。よくは知らないが。
男性がひとりでやってきて、その筋の女性を呼ぶこともある、らしい。あくまで伝聞だが。
と、ここまで言えばご理解いただけよう。
これはおそらく、そういう筋の女性の、積極的かつ職業的意欲に満ちた、見上げた願いなのだと解釈せざるを得ないのだ。
「ステキな刺激」というのは、願主にとってではなく、相手にとってであると解釈すると合点が行くと思われるのだが、受講生諸氏のお考えは如何であろうか。
【追記】
この生玉神社界隈に詳しい人によれば、夕刻、付近を歩いていると、どう見ても親子としか思われないほど年齢の離れたカップル、もちろん男性が親ほどの年恰好、女性が子ほどの年恰好のカップルを、ちょくちょく見かけるそうである。
しかも、仲良く腕を組んで、女性のほうが胸を押し付けたりしているそうである。
よって、筆者の前記の推測はほぼ間違っていないと、断言できる訳である。
断言したって、腹立たしいだけであるが。