「おちついて共にのぼる
ような、いじ力」を
願います。
藤堂裕美
[大阪市 三光神社]
三光は「さんこう」と読む。
大阪市天王寺区の、大坂冬の陣で有名な真田幸村ゆかりの神社である。
かつては大坂城の出城「真田丸」が置かれた真田山という小高い場所に位置しており、「真田の抜け穴」でも有名な史跡でもある。
祭神は天照大神、月読尊、素戔鳴尊で、この三柱の神は太陽、月、星を表す?ということで、そこから三光という名が生まれたのだそうだ。
そういう神社であるから願う御利益は戦勝系が多い。
神社側としても、勝ち守りなんぞを用意するという営業姿勢である。
そういう神社へ奉納された願かけ絵馬の、この願文はどういう意味であろうか?
毎度のことで願主名は仮名に変えているが、女性名であることは間違いない。
「おちついて共にのぼる」とは何なのか?
「いじ力」とは、維持力であろう。意地力では意味をなさない。では、何をどう維持するという話なのか?
どうも、勝った負けたの話ではないような気が、する。
この裕美さんの願う「いじ力」とは?
考えれば考えるほど、これは閨房関係の話のような気が、する。そして、神様に「お願いします」ではなく、「願います」となっているところには「いじ力」を願う強い気持ち、切望感が表れている、ような気がする。
どこかのオトーサンが、「いじ力」を求められて、ひどく苦しめられているのでなければ良いが。
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