就職が早く決まりますように。
素直な自分で自信を持って生きられますように。
バンドかソロの歌手になれますように。
奈津子
[京都市 清水寺]
次々と、資料写真なしが続いてしまうが…。そこはまあ何とか大目に。
で。
たとえば、ウマイウマイと焼肉を食べている最中に
「そういや、最近寿司も食ってないなあ、寿司、食いてェ」
なんて思ったりするように、人間の願いというものは、結構、同時多発的に発生するものである。
受験を前に、何とか成績をあげたいと必死で英単語帖に取り組んでいる時、頭の片隅で、というか三分の二くらいで、クラスのマドンナとか部活のマネージャーさんとか、女性に対する良からぬ妄想を逞しくした経験のようなものは、どの男性諸氏もお持ちであろう。
だから、この奈津子さんのようなお願いの仕方も、一概には非難できない訳である。
しかしなあ。
少しでも早い就職と、バンドかソロの歌手。
神仏にお願いするのだから、当然、後者はプロデビューという意味だろうが、両立するのか、それ。
もしも、清水寺が太っ腹で、両方かなえてくれたら、どうするんだ?
奈津子さんは、「素直な自分で」ウンヌンともお願いしているが、この二つのお願いをすること自体、あんまり「素直」過ぎると思うのだが。
あ、それに自信を持ちたいっていう訳か。
なるほど。
そうかと思うと、こういうスッキリしたお願いもあるのだ。
幸多かれ 世界一。
まあ、考えようによっちゃあ、こっちのほうがはるかに欲張りなんであるが。
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